2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧
電磁形状因子の物理的意味を見ておく。 電子の異常磁気能率(4) - 計算用紙 の(6)式の証明と同じ計算で が分かる。これを変形して これを前回の(1)式 に代入すれば 波括弧の中の第1項は荷電スカラー粒子のときにも出てくるのと同じ形のもので、観測される電子…
順番が逆だが、今まで飛ばしてきた物理の話に戻る。 電子の磁気能率は頂点関数 に外線の因子を掛けた から求められる。 は の形をしていて、 は について2次以上の項だ。これまでこの を最低次の のオーダーで計算してきたのだった。 はその形から、電子が電…
前回 まで計算したのだった。 あとは x の積分を計算すればいい。被積分関数の中の λ は赤外発散の正則化のために入れたもので、最終的に λ→+0 とするのだが、今の場合はここでいきなり(というか最初の最初から) λ=0 としてしまってもいい。 しかし λ→+0 で…
クーロン散乱(5) デルタ関数の2乗 - 計算用紙 で のとき と書いたのだが、T_NAKAさんからトラックバックを頂いた記事 δ関数の性質を考える(1) T_NAKAの阿房ブログ/ウェブリブログ を見ていて、どうもよく理解していないことを書いてしまったことに気がつ…
前々回は まで求めたのだった。 これから前回定義した で変形していく。 上式の2項目は、係数は無限大に発散しているが、 に比例した項なので落ちてしまう。 被積分関数の分子の行列を展開すると これの各項をそれぞれ計算する。第1項 ふたつ目の等号のとこ…
これから必要になるスピノル関係の公式を証明しておく。まず縮約公式。 (1) は前回示したから (2), (3) を示す。(2) 第2項に (1) を使って (3) 第2項に (2) を使って これから を外線の因子のスピノル で挟んだ を計算することになる。 をいちいち書いてると…
前回の最後の式の積分順序を入れ替えると 分母の波括弧の中を k について完全平方する。 途中で であることを使った。これは p, p' が質量殻条件 を満たしていること*1から従う。証明はこの記事の最後で。 の項を落とせば は となる。省略していた を復活さ…
前回 まで計算したのだった。なんで の計算をしているのかは後回しにして、計算を続けよう。これからの計算には p, p' の代わりに を使うのが便利だ。p, p' について解くと これを に代入して 分母の一部を変形する。q の成分について2次以上の項は今の計算…
電子の異常磁気能率は、1948年、シュウィンガー(Schwinger)によって、微細構造定数 α の最低次で と計算された。この計算をやってみよう。 異常磁気能率とはなんぞやとかファインマン則の説明とかは、教科書かよそのサイトに譲る。 として、計量テンソルは …
ある計算をしようとしていて、途中で非線形振り子の問題を解く必要が出てきた。 見る人が見ればもとの問題は見当がつくかもしれない。ドットで時間微分を表すとする。 n>2 として、次の微分方程式を考える。 初期条件は t=0 で として、最初に となる時刻を…
初めて聞いたとき意外だったのだが、13日は金曜日になりやすいという話がある。結構有名な話らしくて、結果を載せてるサイトは多いのだが、プログラムで総当りしてるものしか見つからない。手計算でも簡単にできるのでちょっとやってみる。 m を整数、n を正…
(追記:ほとんど同じだけど、後日書いた記事「夏希が誕生日から曜日を計算されてたんだけど」のほうが少し簡単だから、そちらを読んだほうがいいだろう)映画サマーウォーズの冒頭で、主人公の健二がから曜日を計算するシーンがある。サマーウォーズにはまっ…
クーロン散乱(2) - 計算用紙 の最後の式は、時間に依存する摂動論の1次の項をとったのだが、回り道してたので、もう少し短い導出を与えておく。やることはほとんど同じ。 今回は状態ベクトルは全てシュレーディンガー表示とする。ハミルトニアンを として、 …
ここまで思った以上に長くなってしまったが、なんでクーロン散乱の計算をしたかと言うと、実はデルタ関数の2乗について書こうと思ったからなのだ。前回の計算でデルタ関数の2乗の出てきたところはどこだったかというと、 を ( として、 のフーリエ変換を と…
前回の結果を使って散乱断面積を計算しよう。 散乱断面積は、要するに的(まと)の大きさで、的に当たった粒子が散乱されると考えればいい(もちろん本当に的があるわけじゃないけど)。全散乱断面積を σ とする。 初期状態の運動量を p としたので、実験家にと…
時刻 -T で、運動量 、エネルギー の平面波状態にあった粒子がポテンシャル V で散乱されて、時刻 T で 運動量 、エネルギー の状態に見つかる確率は で、A は というところまで計算したのだった。 今回は A の計算の続き。V を以下のような湯川ポテンシャル…
前回の結果から、時刻 -T で の状態にあった粒子がポテンシャルで散乱されて、時刻 T で終状態 で見つかる確率は として、 を計算すればよい。 の頭の帽子は演算子の意味。今回は演算子には帽子を乗せとく。 を1辺 L の立方体で周期境界条件を満たすように規…