2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

クーロン散乱(1)

量子論でクーロン散乱(またはラザフォード散乱)の計算をしてみる。(これと次の記事は回りくどいから 時間に依存する摂動論 - 計算用紙 で計算しなおした。) とする。 ハミルトニアン H を とする。 は自由粒子のハミルトニアン、V はポテンシャル項。 自由粒…

tan(3π/11) + 4sin(2π/11)

これも以前某所に書き込んだもの。 表題の式を計算する問題で、別に難しくはないが、初めて見たときはなんでこんな値になるのか結構驚いた。 三角関数の公式でひねり回せば解けるのだが、別の角度から眺めてみる。p を素数として、g を p の原始根、x を 1 …

こういうことでしょうか

「量子エネルギーテレポーテーション」 東北大学大学院理学研究科 堀田昌寛 http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kyodo/kokyuroku/contents/pdf/1658-11.pdf について、kafukaさんから質問を受けた。とりあえず を求めるとこまで計算式だけ書く。 詳しくは論文…

量子エネルギーテレポーテーション(3)

前回までで計算は済んだのだが、今回は計算してきたことの意味を考えてみる。A の測定による波束の収縮はエネルギーも情報も伝えないはずだから、B だけを見ている限り、A での測定の前後での変化は見られない。エネルギーに関しては計算したところ、 の期待…

小澤の不等式の導出

Masanao Ozawa, Physical content of Heisenberg's uncertainty relation: Limitation and reformulation http://arxiv.org/abs/quant-ph/0210044 を読んでみた。 とりあえず今回は小澤の不等式の導出だけ。以下、記法は論文とは全く違う。A, A', B, B' をエ…

チャンドラセカール限界(3)

前回求めたレーン=エムデン方程式 を解くことにしよう。この方程式は2階の微分方程式なので、初期条件がふたつ必要だ。θ の定義から なので、中心 ξ=0 で θ=1。 また、星の密度分布はなめらかなはずだ。特に星の中心での密度勾配 gradρ は連続でなければなら…

チャンドラセカール限界(2)

前回、縮退物質の状態方程式 が求まったので、これから星の構造を記述する方程式を求める。しばらくの間、これを少し一般化して として議論する。 n をポリトロープ指数 (polytrope index) と言う。最初の式は n=3 の場合。星を球対称として、星の中心からの…

量子エネルギーテレポーテーション(2)

前回は A の x方向のスピンを測定をしたところまでだった。 測定直後の状態は測定値 α(=±1) に応じて になる。 ここまでは特に変わったことはない。この測定値 α を B のところ(にいる人)に古典的な通信手段で送る。通信は十分速く、系の状態は測定直後から…

量子エネルギーテレポーテーション(1)

普段覗かせてもらってるブログ http://blogs.yahoo.co.jp/kafukanoochan/65166847.html に面白そうな話が紹介されていたので、論文を読んでみた。読んだのは http://www.tuhep.phys.tohoku.ac.jp/~hotta/extended-version-qet-review.pdf Masahiro Hotta, Qu…

円周率計算プログラム

昔書いた円周率のプログラムに少し手を入れたもの。言語は C です。 上の桁から計算していって、計算したものから順に表示します。 計算する様子をひたすら眺めていたい人向けです。 一応、10万桁程度なら数分で計算できます。 速さや桁数を追求したい人は他…

チャンドラセカール限界(1)

電子の縮退圧で支えられた星、白色矮星に上限の質量があることは、インド人の天文学者、チャンドラセカール(Chandrasekhar)によって1931年に示された。 この上限質量は、文献によれば、太陽質量のおよそ1.4倍になるはずだ。 これを計算してみる。まず今回は…

√2+√3>π

日付的にちょうどいいので、円周率について一題。√2+√3 は π の良い近似値で、誤差 0.15% より小さい。 √2, √3, π という簡単な数の間にこんな関係があるなら、何か幾何学的な理由がありそうな気がするが、そういうものはまだ知られていないらしい。で、タイ…