こういうことでしょうか
「量子エネルギーテレポーテーション」
東北大学大学院理学研究科 堀田昌寛
http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kyodo/kokyuroku/contents/pdf/1658-11.pdf
について、kafukaさんから質問を受けた。
とりあえず を求めるとこまで計算式だけ書く。
詳しくは論文なり、kafukaさんの記事
http://blogs.yahoo.co.jp/kafukanoochan/65166847.html
を参照。
から最初の項は落ちる。
H の中で B に関係するのは だけだから
ハイゼンベルクの運動方程式から
はパウリ行列ではなくて(パウリ行列だと微分すると 0)、物理量としての B のスピン(の2倍)と解釈する。
質問は上の第2項でスピンの時間微分 がなんで出てくるのかということだった。
一般の場合を考える。
例えば、ある粒子(角運動量 J)を含む系が、|ψ> という状態だったとして、粒子を dθ だけ微小回転させたときの状態 |ψ'> は、J が回転の生成子なので
この回転によるエネルギーの変化は
dθ 回転させたときのエネルギーの変化が だから、 はトルクに等しいと考えられる。量子論でトルクという言葉はあまり聞かないが、古典論なら N をトルクとして は当然。
の第2項から s=1 の部分を取り出して書き直すと(s=-1 も同じようなことになる)
B の角運動量を とする。 の定義から による回転の角 φ は -2θ。 は を測定して、測定値 1 という結果になった状態なので |1> と書くことにする。
以上で書き直せば上の式は
これは、例えば、一様磁場からトルク N を受けた、磁場に垂直な古典的磁気双極子がトルクの方向に φ 回転したときのエネルギーの変化 -Nsinφ と同じ形をしている。
式が に拠るのは、A から B が直接力を受けるのではなくて、B の周りの粒子が A とエンタングルしてて(エンタングルの具体的な情報は |g> に含まれている)、それらの粒子から力を受けるから。
なんで垂直なのかは聞かないように。残した部分は、きっと の第1項に含まれてる。